塩分を摂りすぎた時の対策

厚生労働省では2015年4月1日より、日本人(18歳以上)の1日あたりのナトリウム(食塩相当量)の摂取量の目標値を、従来の男性9g未満、女性7.5g未満から、男性8g未満、女性7g未満に変更しました。

しかし、厚生労働省の「平成27年国民健康・栄養調査」では、成人の1日あたりの塩分平均摂取量は男性で11g、女性で9.2gとなっています。

そこで、今回は塩分を摂りすぎた時の体の症状と、その対策についてご紹介します。

のどが渇く

摂取した塩分は体の中でナトリウムとなりますが、塩分を摂りすぎると、血液中のナトリウムの濃度が高くなります。ナトリウム濃度が高くなり、ナトリウムの運び役のカリウムが不足していると、カリウムの変わりに水分を取り込み、塩分濃度を薄めようとします。 そのため、のどが渇くのです。

血圧が上がる

塩分濃度を薄めるために水分を摂ると、血管に流れる血液量が増え血圧が高くなります。高血圧の状態が続くと、血管が常に張りつめた状態になり、次第に硬くなってしまいます。これが動脈硬化の原因となり、脳梗塞心筋梗塞を発症する要因となります。

むくみ

水分を多く取り込むと水分が細胞からあふれ、細胞の周囲にたまります。これが、むくみとなります。

それでは、塩分を摂りすぎた場合、どのような対策があるのでしょうか?

カリウムを摂取する

摂取した塩分は体内でナトリウムとなりますが、カリウムはナトリウムの体外への排出を促します。カリウムを多く含む食品を積極的に摂って、体内の余分なナトリウムを排出しましょう。カリウムの量が多い食品は以下のものがあります。

トマト、かぼちゃ、ほうれん草、水菜、にら、ブロッコリー、セロリなどの野菜

バナナ、グレープフルーツ、みかん、柿、キウイなどの果物

水分を多く摂る

塩分は翌日ぐらいに尿として排出されます。水分を多く摂取し、塩分を尿から排出しましょう。利尿作用のある食べ物や飲み物には以下のものがあります。

キュウリ、リンゴ、メロンなどの野菜や果物

お茶、コーヒー、紅茶の飲み物

ただし、一度にたくさん摂るのではなく、少量をこまめに補給することを心がけましょう。また、塩分を摂りすぎた日から2~3日は塩分摂取をなるべく控えて、排出するように努めましょう。