食物繊維は人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体と定義されており、消化されずに体の中をそのままの状態で通過し、体外へ排出されます。水に溶けにくい「不溶性」と水に溶けやすい「水溶性」に分類され、それぞれ働きが異なります。
水溶性の食物繊維
胃から腸を通って排泄される間、腸内のいろいろな物質を吸着し、体外に運び出します。主に以下のような働きがあります。
- 排泄を促す → 高血圧予防、動脈硬化予防
- ブドウ糖の吸収速度を遅らせて血糖値の上昇を抑える → 糖尿病予防
不溶性の食物繊維
水に溶けないので水分を吸収し、数倍~数十倍にかさを増します。主に以下のような働きがあります。
- 排便を促す → 便秘の予防、食品添加物などの排泄促進
- 満腹感が出やすい → 肥満の予防・改善
便秘の予防や血糖値上昇の抑制など、多く効果が明らかになっていますが、現在ほとんどの日本人は食物繊維が不足気味と言われています。
厚生労働省の食事摂取基準によると、1日あたりの摂取目標量は年齢にもよりますが、およそ男性20g、女性17~18gとなっています。しかし、最近の報告によれば平均摂取量は1日あたり約14gと推定されています。
食物繊維は豆類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類などに多く含まれており、特にそば、ライ麦パン、さつまいも、かぼちゃ、ごぼう、たけのこ、ブロッコリー、納豆、おから、しいたけ、ひじきなどは1食あたり食物繊維が2~3gも含まれています。
これらを食事の中にうまく取り入れて、効率的に食物繊維を摂取しましょう!