食と生活習慣病、循環器病

 高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、動脈硬化を促進し、脳卒中心筋梗塞などの循環器病の主な危険因子となっています。生活習慣病には食事や運動、喫煙、飲酒などの生活習慣が関係しますので、よい生活習慣を守ることは循環器病の予防のために重要です。また、それらの生活習慣は、がんにも関係しています。

 生活習慣病のなかでもっとも多い高血圧を例にとれば、食塩の摂り過ぎ、エネルギーの摂り過ぎによる肥満、野菜や果物の摂取不足、運動不足、アルコールの飲み過ぎ、などが関係しています。タバコも吸うたびに血圧が上がります。肥満や運動不足は、糖尿病や脂質異常症にも強く関係しています。

 それらの生活習慣を改善すれば血圧や糖、脂質の値がよくなり、生活習慣病の改善とともに循環器病の予防にはたらくことが期待できます。なかでもエネルギーや食塩、野菜や果物といった食事の役割は大きく、生活習慣病をお持ちの人だけでなく、そうでない人も予防のために、よい食生活を取り入れ、続けていただきたいと思います。

河野 雄平
帝京大学福岡医療技術学部 医療技術学科長/教授
日本高血圧学会 名誉会員/前減塩委員会委員長