減塩のポイント
減塩の実践においては、家庭での調味料とともに加工食品や外食への注意が重要です。日本人の食塩摂取は、家庭での調味料からより加工食品や外食によるほうが多くなっています。また、食事の量にも注意を要します。
調味料については、塩分の多さは塩、醤油、味噌、ソース、ケチャップの順です。日本人の食塩摂取は醤油からが最も多く、塩がその次ですので、これらを減らすことが大切です。調理では小さな計量スプーンを用いて、使う量を正確に量るとよいでしょう。減塩の醤油や塩を用いるのもお勧めです。酢や香辛料は食塩を含まず、血圧への悪影響はありません。
食塩を減らすと味気ないや不味いと思われがちですが、工夫すれば美味しくなります。美味しい減塩食として、素材やだしの旨みを活かした「国循のおいしい!かるしおレシピ」(国循は筆者が以前に勤めていた国立循環器病研究センターです)や、牛乳を使った「乳和食」などが考案されています。
加工食品については、食塩が多いものは避けるか少量にしましょう。また、食品中のナトリウム量と食塩量の表示を確認して下さい。外食のメニューも一般に食塩が多く、注意を要します。現在は多くの減塩の加工食品が市販されており、減塩のメニューを供するレストランも増えてきました。
河野 雄平
帝京大学福岡医療技術学部 医療技術学科長/教授
日本高血圧学会 名誉会員/減塩委員会 前委員長
厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015年版」策定検討会構成員